頑張って!の声かけって必要?

 

「頑張って!」「頑張れ!」ってよく使っていませんか?
自分も以前はよく使っていました。

何かに失敗しても、もう一度チャンスを与えてもらうためにとか・・・
出来ないことを、出来る様になることを約束するためにとか・・・

同じ言葉がもたらす質の違い

よくスポーツ選手が「オリンピックを目指して頑張ります!」と言っているからなのか?きっと皆さんも良いイメージを持ってこの言葉を使われていることだと思います。

でも、自分はどうしても良いイメージを持ってこの言葉を使うことができません。どちらかと言えば、他人事の様な気がしてマイナスなイメージしか持てません。

何故ならオリンピック選手が「頑張らないと!」と思ってこの言葉を使っている中身と、自分達がそうだと思って使っている中身の「頑張らないと!」では、言葉は同じでも随分と中身が違うように感じているからです。

身近によく使う「頑張ります」には、その場凌ぎや体裁、あとこれは極端なのかもしれませんが強要(謝罪とかお詫び)されてとか・・・ある一定の年齢を超えると使い道が変わっているように感じているからです。

必要な頑張るの促し方

幼少期の時のことは覚えていませんので詳しくはわかりませんが、自分の息子が幼かった時とかには散歩などしている時に「〜まで、頑張って歩こう!」などと鼓舞する意味でよく使っていました。

でも、この「頑張って」には「〜まで」という目標や目的がはっきりしていて、誰もが達成することを共通のイメージが出来ていることからもこの使い方は間違いないのかと思います。

いわば家族という個人ではない目標設定があったからだと思っています。

次に思い出すのが、チャレンジしても中々上手くいかない時に、周りからよくかけられる諦めさせないために鼓舞するための「頑張ろう!」でしょうか?

自転車や勉強、お手伝いや習い事など・・・
できないことができるようになるための「頑張る!」・・・
できるまでチャレンジし続けるための「頑張る!」・・・など

これらの頑張るにも、できないことをできる様になるという目標設定がある「頑張る!」なのに、何故だか自分は違和感を感じました。

頑張るではなく、できるようになる!

自分も長くサッカーを続けてきましたが、誰かに「頑張る!」と言った覚えがありません。それは「頑張る!」=「できる様になる!」ならば自分が望んだことであり、多分当たり前だと思っていたからなのかな?って思っています。

ということは、おとなが少し成長した子どもに対して「頑張ろう!」と声かけしたくなるのは対象が、家族の目標設定からその子ども個人に対する設定に変わってしまっているのかな?って思っています。

幼い頃は、家族で頑張ろう!だったはずの共通の目標が、いつの日か気付いた時には子ども個人に対する「頑張ろう!」に変わって行ったとすれば、これは子ども個人が「頑張ろう!」と思うことであって、周りから「頑張ろう!」と言われ、勝手に決められていいことなのでしょうか?

何故なら自ら「頑張ろう!」と思えるということは、その行為が好きだからこそそう思える「頑張ろう!」だと考えると、例えば上手くいかない時とか何か嫌なことがあったとしても、それでもやりたくなることが本当の好きであるなら、きっと周りから「頑張ろう!」と声をかけられることもなく、勝手に次の目標に向かうことでしょう。

でも、上手くいかないことで頑張れず、周りから「頑張ろう!」と声をかけられてしまう状況があるとするならば、それはもしかすると当事者の気持ち以前に、周りが勝手に鼓舞しなくちゃ!と盛り上がっているだけかもしれません。
それでは好きでもないことを無理やりやらされているだけという、何ともお粗末な結果しか生み出さない状況にしかならないように思えてなりません。

一生懸命やる!へと変換する

だから、自分は「頑張る!」のではなく、「一生懸命!」やっているのか?どうかで中身を判断できる視点を持つことが重要なのかなって思っていて、その視点が判断材料となればきっと一生懸命やっても上手くいかない時には、辞めてもいいし、休んでもいいと思えるのではないのかなって思います。
そしてそれが寄り添うことに繋がるのだろうと思っています。

そして、またやりたくなった時には、本人が大好きなことに気づけた時ですから、勝手に「頑張れる!」様になるのではないかと思っています。

ですので、皆さんも誰かに「頑張って!」と声をかけたくなった時には、一度冷静に自分の気持ちや期待を押し付けようとしている「頑張って!」になっていないかをよく考えてみてあげて下さいね。

きっとよく考えてからでも相手に寄り添った「頑張って!」であれば、時間がかかったとしても遅くはないはずです。

 
最終更新日:2023/10/08(日)20:36

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